戦争がもたらした家族の歴史:私たち兄妹が受け継いだもの

今日は、私の母親が子供の頃に体験した出来事についてお話ししたいと思います。

私の祖父は、戦争時代に特攻隊のチームリーダーのような役割を務めた方でした。祖父は生きて帰ることができましたが、おそらく自分が死ねなかったことに罪悪感を感じていたのではないかと思われます。

この罪悪感が原因で、祖父は自分の子供である母親を厳しく育てることにしました。母親は褒められることが少なく、愛情不足に陥りました。

そのため、自己肯定感が低く、常に誰かに愛されたい・認められたいと感じていました。自分が否定されることに耐えられず、暴れることもありました。

母親は、人の上に立って誰にも否定されない状態になりたいと思っていましたが、結婚して共同生活をすると、自分の思い通りに事が運ぶことはできないことがわかりました。

子供ができると、ますます自分の思い通りにいかなくなり、激高して家庭内暴力を行うようになってしまいました。

このような家庭環境で育った私たち兄妹も、心に傷を負ってしまいました。

でも今は、私たちもそれぞれ自分の家庭を持ち、幸せに暮らしています。両親との関係は、遠くなりましたが、距離ができたことで穏やかな日々を送れています。

この話を通して、戦争は戦争経験者ではない人の人生にも大きな影響を与えることを知りました。同時にこのことを知ることで、母親に対しての私の憎しみは収まり、しかたないことだったんだと整理をつけることができました。